誰もが前向きに働き続けられる社会を!

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今、たくさんの若者たちが苦しんでいます。
就職活動で苦しみ、就職してから苦しみ、そして離職してまた、苦しんでいます。


2013年の報道に、就職活動に臨む学生の5人に1人が本気で自殺を考えたことがあるというニュースがありました。
厳しい経済情勢が続く中、企業は厳選採用路線を強めており、学生たちは即戦力を要求されています。 しかしながら今も昔も学生は「社会人として働いた経験がない」存在であることに変わりはなく、昔の学生と同じ年齢、同じ程度の経験ながら、要求されるレベルだけが高くなり続けています。 これは大変酷なことではないでしょうか。その結果、100社以上に応募したのに内定がもらえない、といった学生さえも珍しくなくなりました。 採用活動をしていると、やる気もあり、人柄も魅力的であるにもかかわらず、「内定ゼロ」という学生が実にたくさんいます。 30代以上の転職活動で、何社も落ちて気持ちが滅入ってしまったという話をよく聞きますが、20歳そこそこで「自分は社会で働いていける」という成功体験すら持っていない学生が、 100社落ちても皆、「よし、次がんばろう!」と前向きな気持ちを持ち続けられるとは、私には到底思えません。


就職できたとしても、もちろんそれで安泰ではありません。
がんばれば定年まで勤め上げられる時代は終わりました。 たとえ名だたる大企業に入社できたとしても、事業撤退や工場閉鎖などで大規模なリストラが行われることもあり、安心して働けるとは限りません。
先輩社員は自らの仕事に追われています。新卒たちのケアをする余裕は、昔と同じというわけにはいかないでしょう。
上司はプレーイングマネージャとしての多忙さと重圧に疲弊し、新卒たちはその姿を見て「あのようにはなりたくない」と希望を失っています。 場合によっては忙しさのあまり殺伐としてしまった職場で冷たい扱いを受けたり、「ブラック企業」と化して従業員から搾取しなければ存続できなくなってしまった会社で働き続けなくてはならないのです。
こらえきれずに若くして離職すれば、また就職活動の渦に飛び込まなくてはなりません。


もし学生や若い社員たちが自分の身を守ろうと考えるなら、「どこへ行っても働けるだけの実力」を身につけなくてはならないと考えます。 たとえ会社がつぶれようと、部門丸ごとリストラされようと、引く手あまたの存在になれば、必ず「拾う神」が現れます。 もう、ブラック企業に我慢して勤め続けなくてもよくなるのです。
もちろん、「どこへ行っても働けるだけの実力」を身につけるためには、努力が必要です。
苦しいことでも我慢に我慢を重ね努力するのもよいですが、できれば「自らストイックになれる分野」を見つけて、そこで努力するのが一番幸せではないでしょうか。 それと仕事が結びついたとき、それがその人の「天職」と呼ぶべきものになるのだと思います。
私は、若者たちに「天職」を見つけてほしい。同じ働き続けるのであれば「天職」を見つけ、自ら望んで努力できる仕事を続けてほしい。強く強く、そう願います。


しかしながら、若者は成長する過程で、さまざまな壁にぶつかり、そこで感じる思いもさまざまです。
同じ「上司に叱られる」という場面でも、ある者は真摯に反省し、ある者はその重さを理解せずにまた過ちを犯し、ある者はせっかくの指導に反発し、またある者は退職を思いつめるほどに激しく落ち込みます。 若者たちはその若さゆえ、周囲の愛情すら理解できなかったり、正しく消化しきれないことも間々あるのです。


だから若者たちはどうか、周囲の愛情をきちんと汲み取れるようになってほしい。ありのままを受け入れられる力を身につけてほしい。私はそう願います。
そして経営者や企業、上司や先輩たちはどうか、若者たちがまだ理解力も消化能力も不十分であることを受け止め、あと半歩だけ、彼らに譲歩してあげてほしいのです。 彼らの軽はずみも、反発も、極端な落ち込みようも、見捨てないであげてほしいのです。
彼らは、理解さえできれば前に進むことができます。ほんの少し言葉を変えたり、言葉を加えたりするだけで、パッと理解できることも少なくありません。


そうしてお互いが理解しあえるようになれば、そこには信頼が生まれます。
一度信頼が生まれれば、彼らの誤解は一気になくなります。たとえ上司や先輩が感情的に叱ったとしても、信頼があれば「本当のあの人はこうではない」と受け止めることができます。
そのような人間関係ができた職場は、居心地がよいはずです。これは「ぬるま湯」「楽な会社」とは違います。 ちょうど大会を控えた部活動のチームが自然発生的に朝練をしたり、居残り特訓をしたりするのと同様、組織の構成員が自ら進んで、そして時に励ましあうことでがんばり続けることができる、そんな会社です。
そこでは、人は「心地よい疲労」こそあれど、「疲弊」することはないはずです。
そのような会社や職場は、残念ながらそう多くはないでしょう。 けれどそれゆえ、そんな職場が実現した暁には、他社を凌駕し、利益も上げることができ、会社は自ずとホワイト企業になっていくはずです。


若者たちが転んでも転んでも立ち上がれる社会と、転んでも転んでも立ち上がりたいと思える人間関係を、実現させたいと思っています。
若者たちに媚を売るのでもなく、諦めの境地に追い込むのでもなく、彼らが幸せに毎日を送れることを、切に願っています。
彼らが幸せを感じ、前向きにがんばり続けることができれば、職場も、会社も、ひいては日本も、元気になっていくと信じます。
だから、若者たちも、経営者、上司、先輩たちも、あと半歩ずつ歩み寄ってほしいのです。互いが腕組みをして「若者が悪い」「会社が、社会が悪い」と言っているばかりでは、何も変わりません。
そして、それでも埋まらないすきまに橋を架けるため、私は努力したいと思っています。

ワークイズ代表 桑原 祐介

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